VUCA(ブーカ)時代のキャリアデザインとは? 『今すぐ発信』して磨こう!

キャリアデザイン

将来の予測が不可能な時代とは?

 VUCA(ブーカ)とは、「将来の予測が不可能な状況」を意味する言葉で、Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)という4つのキーワードの頭文字をとった造語です。

 私自身、50代も後半になり、これまでとこれからの人生について深く考えるようになりました。コロナ禍を何歳で迎えたかで、今後の人生が大きく変革することになりました。
 現代社会では、新型コロナウイルスの流行や地球温暖化に伴う気候変動、台風や地震などの災害など、予測が困難な出来事が発生しています。未来を予測することが困難な不安定な時代には、自分自身の将来のビジョンをどのように描いていけばよいのでしょうか?

「ありたい姿」を実現するためのキャリアデザイン

 これまでのキャリア形成といえば「将来的な計画を立て、その目標に向かって努力することで成し遂げられる」というイメージでした。しかし、時代はめまぐるしく変容を遂げています。そして、先行きが不透明な環境だけでなく、社会のグローバル化や雇用形態の変化など、人々の価値観は多様化しています。さらに野村総合研究所は英オックスフォード大学との共同研究(2015)において「日本の職業の約49%が、10~20年後にはAIなどによる代替が技術的に可能となる」と推計されています。このような状況では、将来の見通しが立てにくく、私たちのキャリアに対する不安は募るばかりです。
 急激な社会的変化の中で、人生においての働き方や生き方が問い直されています。将来的に現在の職業を継続して、成長していきたいと考えていても、転職や失業を余儀なくされる可能性もあります。したがって、十数年先までの緻密な目標計画を立てても、未来の予測が困難な時代では、あまり意味がないと言えます。
 このような時代には、自分自身のキャリアと真剣に向き合って「自分らしい働き方」を模索していくことが大切なのです。そして「自分のありたい姿」を実現するために、自ら主体的にキャリアを設計する「キャリアデザイン」が必要なのです。

やりたいことの実現のために「今すぐ主体的に行動する力」

 VUCA(ブーカ)時代が到来し、人生百年時代となり、生き方や働き方も多様化しています。そのような中で、「自分らしい働き方」を見出すために何をすれば良いのでしょうか?
 今のような不安定な時代に、最も重要な能力は「今すぐ主体的に行動する力」といえます。なぜなら、自分の「やりたいこと」があるのにも関わらず、勇気が持てず、後回しにしていると、いざという時には、すべてが現状とは異なっている可能性があるからです。時代の移り変わりが早く、せっかくの自分の能力や経験が役に立たなくなってしまう場合があるのです。学習などの十分な準備時間をとっていると、チャンスを逃してしまう恐れがあります。
 つまり、主体的にキャリアを向上させるために行動することで、将来的に「自分らしく働く」ことが実現する可能性はありますが、目の前の業務だけを遂行する受け身の姿勢では、取り残されてしまう恐れがあります。したがって、自分の「やりたいこと」を実現するためには、いち早く第一歩を踏み出し、主体的に行動し、少しずつ改善し、成長に繋げることこそが重要です。
 これは「急に転職する」とか「すぐに独立する」ということでなく、「計画」だけでなく「一歩前に進むために行動する」ということなのです。常に行動していると、状況の変化にも気づきやすく、挑戦のタイミングを見計らうことができます。大人になると経験からしか学べないといわれています。耳で聴いたものは「忘れる」、目で見たものは「覚える」、やったことは「理解する」のです。大人の学びは「行動」して「経験」を積みましょう。

あなたのやりたいことを「発信して磨こう」

 そして、SNSの進化により、「今すぐ始める」ことが可能になりました。誰もが少ないリスクで、どこからでも「発信して磨く」ことができるようになったわけです。
 例えば、「アクセサリーを作って販売したい」と考えていても、以前は、販売する店舗の確保や、広告宣伝費など多額の費用が発生しました。しかし、現在ではネット上で簡単に販売することができます。しかしながら、逆に「いつでもすぐに始められる」からこそ、「まだ完成度が低いから」とか「技術不足だから」と「やらない言い訳」を考えてしまいます。特に大人になると、経験値が高くなり、プライドも邪魔をして「こんな商品売ったら、笑われてしまう」「売れないとかっこ悪い」など、周りの批評を気にしてしまいがちです。消費者の価値観は多様化しており、実際に販売してみなければ、買い手のニーズはわからないのです。
 私自身も長い個人事業で大切にしていることは、「素早い決断と行動」です。今回は動画コンテンツ販売やブログを開始いたしました。SNSなど一切活用していなかったので、わからないことだらけで、YouTubeやブログで独学で学びました。ブログの設定や動画を撮影・編集などを一人で行いました。すべて一人で学んで決断するのは、本当にストレスでしたが、未熟な内容であっても、「まずやり遂げる」ことが大切なのです。Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグがむ「完璧を目指すよりまず終わらせろ」と名言を残しています。最初から完璧を目指して開発するのではなく、少しずつ修正や改善を繰り返し、少しずつ、良いものにしていこうという考え方です。
 大人になると、何かにチャレンジする時、慎重になり、資格を取得に向けて勉強したり、セミナーに通うなど、まず準備を整える努力をして、行動を先送りしがちです。しかし、どれだけ知識を得ても、不安やリスクは取り除けません。準備が万全でなくても、第一歩を踏み出して、今すぐ始めれば、今日から「ブロガー」「写真家」と名乗れます。私もブログを始めましたので「今日からブロガー」と名乗ります。ぜひ、今日から「私は〇〇家」と名乗って発信をスタートして、能力を磨いていきましょう。
 私自身は「多動力」をモットーに教育の個人事業を営んでいます。一つの業務で満点を目指すのではなく、多種類の業務で80点を目指しています。変化の激しい時代には、一つの専門性を極めるよりも、肩書きの多さの方が「生きる力」になっています。新しく始めるときは、あまり深く考えるより、まず行動し、試行錯誤しながら修正し、あきらめず継続することを重要視しています。人生の時間は限られているので、実際に「行動」して「失敗」したことより、「行動しない」で「後悔」することの方が怖いのです。まず行動することで急に「成功」は手に入りませんが、「成長」は必ず手に入れられます。

まとめ 小さな一歩を踏み出そう

 「成功」の反対は「失敗」ではなく「何もしないこと」です。あなたの「やりたいこと」に向けて、勇気を出して、小さな一歩として行動したその日が、あなたの「あるべき姿」のスタートです。日々は小さな一歩の積み重ねです。あなたが勇気を出して「行動」したことにより、未来がスタートします。