「聴き上手」になるために、さまざななテクニックが紹介されており、実際に試した方も多いのではないでしょうか?しかし、技術的なことを多用しているのにも関わらず、あまり聴き方が上達したと実感できないと嘆く方が見られます。これは、技術的なことが先行して、相手の話を本質的に「聴く」ことができていないからです。相手の話をしっかり傾聴するには、まず技術の前に大切なことがあります。
相手の話に興味関心を持とう
「聴き方」のテクニックの前に大切なことは、「相手の話に興味関心を持つ」ことです。まず、会話のスタートで、あなたが全くサッカーに興味がないのに、ずっとサッカーの話を聴かされると「聴きたくないな」と感じてしまいますよね。人は「自分と価値観が違う人の話」が最も聴きづらいのです。
あなたはその話題に関心がなくても、相手は話していることに強く興味関心を持っています。相手の話をしっかり傾聴するには、あなた自身が相手の話に興味を持つことが大切なのです。
傾聴の技術的なことを先行させても、あなたが本当に興味を持って聴いていなければ、相手は話を熱心に聴いてくれていると感じられません。たとえ、相手の話に賛同できなくても、真剣に耳を傾けて理解しようとする姿勢に、相手は「好意的関心」を抱いてもらったという気持ちになります。
その結果、あなたが相手を尊重している姿勢を伝えることができ、信頼関係が深まるのです。このような、相手の気持ちや意図を理解して、相手を受け入れる姿勢を持った人が、真の「聴き上手」であり、人間関係を上手に構築することができるのです。
相手の話から学ぼう
そして、しっかり相手の話を傾聴しようと努力することで、相手のことを深く理解できます。例えば「気分が落ち込んでいた時に、〇〇選手のゴールを見て、気分が高揚して、ストレスが一瞬でなくなったんだ。その時のゴールはね…」と相手が熱く語ったとします。あなたが「へぇ、なるほど~それは、凄いよね。それからどうなったの?」と興味深く聴くことにより、相手が「サッカーに興味を持ったきっかけ」や「サッカーの魅力」について理解することができます。このことで、相手の気持ちや意図を理解できるだけでなく、あなたの知識の向上や学びに繋がります。
この時に、「私は全くサッカーに興味ないしね。」という姿勢で話を聴くと、お互いを理解し合うことができません。相手の話に関心を持って「へぇ~サッカーって、そういうところが面白いんだね。」と学ぶ姿勢を持つことで、あなたの成長に繋がるのです。
そして、あなたもサッカーに詳しい場合は「ええ~それは違うよ~」などと相手の話を否定してしまうこともあるかも知れません。ただ「相手の話を聴く」というのは、相手と自分の違いを理解することでもあります。「へぇ~Yさんは、そんな風にサッカーを見ているんですね。おもしろいですね。私は…というように考えているんですよ。」というように、相手を尊重しながらも、自分の意見を上手に伝える姿勢が大切なのです。
「聴き上手」になるポイントは、どのような話に対しても、ジャッジしたり、アドバイスなどしないで、謙虚に学ぶ姿勢を持つことなのです。自分と相手が考え方や価値観が違っていることは当たり前のことなので、「そのような考え方があるんだな」と柔軟に「お互いの違いを理解する」姿勢が何より大切なのです。
スマホ抜きで話を聴こう
近年は、どのようなことでもわからないことは、ネットで調べると正解が出てきます。相手が「この試合の凄いところはね…」「ちょっと待ってね。これだよね。」とスマホで答えを探すことも多いですね。相手が話しているのに、下を向いてスマホを触っている人も見かけます。しかし、人の気持ちや感情は、検索しても答えは見つからず、自分自身で気づくしかありません。
上手に相手の話を傾聴することで、相手は自分では気づかない「自分の気持ち」に気付くことがあります。相手が「なぜサッカーが好きになったのか」「新しいサッカーの魅力」に気づくかも知れません。そして、あなたも相手の話から、あらためて気付くこともあるはずです。そのような状況から、信頼関係はうまれるのです。コロナ禍以降、オンラインで人に会う機会が増え、対面で会話をする機会は貴重になりました。せっかくの対面の機会では、まず相手に誠意を持ち、相手を尊重して、話を聴きたいですね。
まとめ 相手に好意的関心を持とう
聴き方のスキルは大切ですし、傾聴力を高める上で、とても役に立ちます。上手にスキルを活用すると、楽に早く信頼関係を築くこともできます。ただ、技術的なことを学ぶ前に、相手に好意的関心を持ち相手と真摯に向き合う姿勢を大切にして、人間関係を築いていきたいですね。