リフレーミングとは?『人生が楽になる思考法』とは?

NLP心理学(神経言語プログラミング)

リフレーミングとは? 

 リフレーミングとは、物事を新たな視点から捉えなおし、別の解釈や評価をすることであり、新たなアプローチを生み出す手法です。私たちは日常生活の中で、さまざまな困難や苦悩に直面することがあります。そのような時は、戸惑うことが多く、ネガティブに考えてしまいがちです。しかし、リフレーミングのスキルを駆使することにより、前向きな思考を手に入れることができるのです。
 私たちは、どのような体験も自分自身の枠(フレーム)にしたがって知覚しています。自分の経験や価値観に基づいて、設定した枠で解釈しているのです。そのようなフレームにおいて、事実は1つであっても、解釈を別の枠につけかえることによって、新しい発見をし、広い範囲から物事を選択できるようになるのです。リフレーミングとは与えられた状況や問題を新たな角度から見ることを意味しているのです。

思考を変革させるには?

 さまざまな出来事には、事実は1つしかありませんが、見方や解釈は自由です。しかし、自分自身の思考を柔軟に変化させるのは簡単ではありません。なぜなら、私たちは慣れ親しんだ視点で物事を考えることが多く、人間は固定観念にとらわれる傾向があるからです。私たちはこれまでの経験から、誰しもが思考の癖を持っており、それを変革することは容易ではありません。
 そのような思考を変えるためには、常に自分自身を客観的に見つめなおすことが求められます。リフレーミングは人々の思考や感情に大きな影響を与えます。リフレーミングの最も基本的な方法は「出来事を別の角度から見る」ということです。例えば「納期まであと三日しかない」と焦ってしまった時に「あと三日もあるから大丈夫」と見方を変化させます。そのことで、自分自身の受け取り方が変化して、反応や行動も変わるわけです。無人島に漂流して、「ペットボトルに水が半分しかない」と思うと、ネガティブになってしまいがちですが、「まだ半分もある」と思うと、「何か手段を考えよう」というポジティブな気持ちに代わります。
 仕事で大きな失敗をしてしまった時も「失敗するなんて、ダメな人間だ」と考えると、自己肯定感が低下し、将来に対する不安や絶望感を抱くかも知れません。しかし「失敗は挑戦した証拠だ。経験を積んだことによりさらに成長した。次に繋げよう。」とリフレーミングを行うことで、失敗を新たなスタートやチャンスと捉えることができます。
 物事の見方を変化させることで、その出来事を新たな可能性を模索するきっかけとして捉え、前向きな気持ちで次のステップに進むことができるのです。現状の問題を「困難」ではなく「成長の機会」として捉えることで行動は変化するのです。そして、見方を変えることにより「意味」が変わり、「意味」が変わると「反応」と「行動」が変わります。
 リフレーミングは、体験的に作られた枠に対して、ものの見方はひとつではないという気付きを促します。答えは、1つではなく選ぶ選択肢は複数あることを理解すると、より広い自由な見方ができるようになります。リフレーミングによって新たな視点を獲得し、柔軟な思考力を養うことで、人間は成長し続けることができるのです。

ポジティブシンキングとの違い

 リフレーミングとポジティブシンキングは、前向きに捉えるという意味で、似ている部分はありますが、考え方は少し違っています。「ポジティブシンキング」は、常に物事を前向きに捉える思考です。
 一方、「リフレーミング」は物事の感じ方や解釈において、見方を変えた結果、新しい発見に繋がるという思考です。
 リフレーミングは、前向きに捉えようとするだけではなく、新しい視点に気づくことによる発想の転換を促しているという点で、ポジティブシンキングとは違っているのです。

リフレーミングでコミュニケーションを円滑化

 さらに、リフレーミングはコミュニケーションにも有効な手段です。なぜなら、リフレーミングを使えば、相手の発言を柔軟に変換することができるからです。相手の「言葉」の見方を変える伝えることで、相手自身が良い面に気付くことがあります。
 例えば「私は少し怒りっぽくて、つい後輩にも感情的に注意してしまうのだよ」と相手がネガティブな発言をした時に「それは、Hさんが仕事に情熱を持っているからですよ」とか「それはHさんが何事にも真剣な証拠ですよ」と見方を変えて伝えることにより、相手は新しい一面に気付きます。そして、そのようにリフレーミングすることにより「自分を理解してくれている」と相手に対する信頼感が高まります。
 さらに、リフレーミングは関係性の改善にも効果的です。相手の意見を否定するのではなく、違う視点や考え方があることを尊重し、受け入れる姿勢を示すことで、信頼関係の構築につながることがあります。上司が「Nさんは、計画性がないね」と言った時に「Nさんは、直観が鋭く自由な発想の持ち主とも言えますね。」などとリフレーミングすることができます。先輩が「Tさんは、飽きっぽい面があるよね。」と言った場合「Tさんは流行に敏感で、好奇心旺盛ですね。」と見方を変えて伝えることもできます。その結果、お互いの違いを理解することにより、リスペクトし合い、対等な関係を築くことができるのです。
 このような多面的な見方をするためには、どのように対応すればよいでしょか?さまざまな相手や事柄に対して別の見方をするように習慣づける必要があります。例えば「消極的」はネガティブな対応と思われがちですが、反意語として「積極的」が挙げられます。「積極的」にも良くない点はありますよね。「ちょっとでしゃばり」「何も考えず行動する」などです。そのように考えると「消極的」は「周りを配慮する」や「慎重」などが挙げられます。私はリフレーミングのグループワークの中で、一人ずつ「短所」を挙げてもらい、メンバーが一人ずつリフレーミングするということを実践しています。楽しみながら、身に付けていきたいですね。

リフレーミングは課題解決にも役立つ

 そして、私たちは日常生活でさまざまな問題に直面します。しかし、問題解決においては、その問題をどのように捉えるかが重要であるといえます。そのような時には、リフレーミングの手法を用いて、そのフレームを変えることで、問題をより広範囲に見ることができるだけでなく、その問題を解決するためのアイデアや策を見つけ出すことができます。
 さらにフレームを変えることによって、また、異なるフレームで見ることによって、問題自体をポジティブにとらえることも可能となります。例えば「問題は変化させるチャンスである」という捉え方をすることで、問題を客観的に捉えることでき、解決策を見つけ出すことができる可能性があります。
 そのような問題に立ち向かう思考を持つことで、自分自身やチームの成長に繋がることもあります。物事の枠組みを変え、違う視点から見ることにより、問題を他の視点で考え直すことになり、新たな解決策やアイデアを見つけ出すことができるのです。 

リフレーミングで人生を楽に

 リフレーミングは私たちが直面するさまざまな状況において、新たな可能性を見出すための大切な手法なのです。リフレーミングを通じて、自分自身や周囲の現実を捉え方を変えることで、人生はより楽になります。問題に直面したときには、それを成長の機会と捉えることができますし、人間関係においても理解と信頼を築くことができます。自己成長や適切な意思決定の道を模索する一環として、リフレーミングを意識的に取り入れてみましょう。リフレーミングを習得し、積極的に活用することは、より豊かな人生へとつながるのではないでしょうか。

まとめ 意識的に見方を変えよう

 ぜひリフレーミングを習慣化し、日常の小さな出来事に対しても意識的にリフレーミングを行っていきましょう。そのことで、積極的に物事に取り組むことができ、常に自己成長を追求することに繋がり、物事を前向きに柔軟に捉えることで、より良い未来を築くことができるのです。